今回は解糖系についての記事です。
読者の方は「解糖系」と聞くとどんなイメージが湧きますか?

流れ追うの大変すぎて何が起きてるのかよくわかんない…。
そうですよね。正直、理解に時間のかかるところだと思います。
そのうえ、ネットには解糖系について分かりやすく書かれた記事が本当に少ない!
そこで、ネット記事として1番分かりやすく丁寧な記事を書いてやろう!ということで、解糖系についてシンプルにまとめていきたいと思います。
↓全体の流れです(順を追って解説していきます)。
解糖系について、まずは超ざっくりと!
ざっくりすぎるだろ!とツッコミを受けるかもしれませんが、解糖系って何それおいしいの?という段階の人は、まず最低限グルコースがピルビン酸になるというイメージを持っていてください。
もう少しちゃんとした言い方をすれば、解糖系は、グルコースを10段階の反応でピルビン酸まで異化(分解)する過程です。
要は、グルコースに含まれる高い結合エネルギーを使いやすい形に変換するわけです。
全体として起こっている反応をまとめると、
となります。
この反応は、細胞質で行われるというのも大事なポイントです。
さて、これだけではあまりに内容が薄すぎるので次にもう少し詳しく見ていくことにしましょう。
少し詳しく見ていくと?【3つの不可逆反応】
解糖系の10段階の反応のうち、特に重要な3つの反応があります。
なぜ重要かというと、この3つの反応は他の反応と違い不可逆反応だからです。
この3つの反応は試験のヤマ中のヤマなので、酵素も含めてしっかり覚えましょう。
それぞれの反応を調節する因子も重要ですが、調節の話はやや難しいので、調節は調節で別の記事を作成する予定です(この記事では簡単に記します)。
第1段階
解糖系の最初の反応ですが、この反応では、ATPを消費してグルコースにリン酸基を付加し、グルコースを不安定化しています。
この反応によってその後の代謝が促進されることになります。
第3段階
F6P(フルクトース6-リン酸)が、ATPの消費によりリン酸化されます。
この反応は解糖系において最も主要な反応である。
この反応でも、ATPを1分子を消費します(ATPの収支については後半であらためて解説します)。
第10段階
PEP(ホスホエノールピルビン酸)がリン酸となり、2分子のATPが産生される反応です。
解糖系全体としては?
次は解糖系の10段階全体を見ると、次のようになります。
段階④で起こること【開裂してトリオース(3炭糖)に!】
段階④ではヘキソース(6炭糖)であるF1,6BP(フルクトース1,6-ビスリン酸)が開裂し、トリオース(3炭糖)2分子となります。
ATPの収支【グルコースからピルビン酸になる過程で+2ATP】
解糖系ではグルコースからエネルギーを産生するわけですが、実は解糖系の前半ではむしろあえてATPを消費します。
上の図を参照してもらうと分かりますが、段階①と段階③の反応でATPを1分子ずつ消費します。
これは解糖系の後半でATPを産生するためのエネルギー投資です。
そして開裂がおきてトリオース×2となったあとに、段階⑦と段階⑩でATPが産生されます。
段階⑦と⑩では、2分子となったあとでのATP産生なので、段階⑦でATP2分子、段階⑩でATP2分子が産生されていることになります。
というわけで、全体としては前半のATP2分子の消費と後半のATP4分子の産生から、ATP2分子の産生となっていることがわかります。
ピルビン酸の行方は?
さて、グルコースがピルビン酸まで至ったあとはどのような行方を辿ることになるのでしょうか?
実は、好気性条件と嫌気性条件で違う経路をたどることになります。
好気条件ではクエン酸回路につながり、嫌気条件では乳酸が生じるという違いを押さえておきましょう。
クエン酸回路についての解説は長くなってしまうので、また記事を改めて解説していきます。
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