生理学参考書レビュー!

つぶやき

こんにちは、すぷらうとです。

医学部の2年生や3年生で学ぶ生理学ですが、ネットを見回してみると意外と生理学の参考書レビューが少ない!

というか医学書自体のレビューが少ない…。というわけで、今回は僕の独断で生理学のテキストのレビューをしてみたいと思います!勉強法の参考にしてみてください。

※この記事は2019/10/8にリライトしています。

生理学とは

生理学とはそもそもどういう学問なのかというのは実は難しい問いですが、簡単に言うとからだを支配しているさまざまな「系」を理解し、「系」を構成する臓器や組織を有機的につなげる学問です(簡単に言えてねえ笑)。

生理学自体は医学部にいると低学年で習いますが、この生理学を理解しているのとしていないのでは、その後習う神経内科や内分泌といった各論の理解の度合いは全く異なります

つまり、基礎医学の中でものちのちにいかしやすい、あなどってはいけない学問の一つと言っていいと思います。

生理学おすすめ書籍ランキング

そこで、僕の私見(と周りの評判)をもとに、ランキングを作成しました。

ランキング自体に特別な意味はありませんが、CBTを終えて医学部の学習の全体像が見えたあとでの評価なので、ある程度参考になるかと思います。

1位:Qシリーズ新生理学

医学生向けの生理学のテキストとしては珍しい、完読できるテキストです(200ページ程度)。

フルカラーであり、価格も3,500円程とお手頃なので、生理学を勉強する医学生にはとても良いと思います。

どこかたんぱくな印象はありますが、凝りすぎないように、という医学部の勉強の最も重要(?)なポイントをクリアするにはこれくらいのあっさりさがちょうどよいと思います。

ちなみにQシリーズは他にも発生学や病理学、薬理学といった分野でも本を出版しており、どれも程よい値段で入手できるので、基礎学習にはお勧めです!

2位:コスタンゾ明解生理学

こちらも今や日本でも米国でも非常に有名なテキストになっています。

この本の良さは、細かすぎず簡単すぎないこと、そして値段も6,000円ほどと高すぎず安すぎないこと(もちろんあくまで医学書としての話ですが…)です。

もともとはアメリカの医学生がUSMLE(アメリカの医師国家試験)の勉強に使えるよう設計されたテキストなので、ポイントを要領よく押さえたテスト向きの参考書だといえます。

また、コスタンゾ明解生理学は2019年9月に新版をリリースしており、特集記事もあるので参考にしてみてください。
https://sproutoutarrows.com/archives/924

3位:N教授の生理学講義ノート

200ページほどのフルカラーの参考書です。良書です。

実はこの本はもともと鳥取大医学部の保健学科の授業で使われていたレジュメをまとめたもので、直接医学生に向けて書かれたものではありません。ただ、医学部低学年で学ぶべき内容としては十分な内容が網羅されており、価格も3,500円とまあまあお手頃です。膜電位の話などはイラストがとにかくわかりやすく、脱分極や過分極といった、つまづきやすい概念もしっかり解説されていると思います。

各チャプターごとにはチェック問題もついているので、シンプルに学びながら演習もやりたい!という人にはうってつけの本ではないでしょうか。

(なお、導入としてはかなりわかりやすいですが本格的に医学を学びたいという人にはむしろ不向きですので、記事後半の海外テキストなども参照することをお勧めします。)

4位:生理学テキスト

フルカラーでイラストが豊富に採用されていて、とても分かりやすい本です。

ただし、ページ数が500ページほどと多く、よほど熱心でなければ完読はほぼ無理でしょう。

標準生理学などと比して情報量がそれほど多くなくちょうどよいという評価を聞くこともありますが、そうはいっても普通に考えて多すぎです。

CBTだとこの本の3割くらいの濃度で乗り切れると思います。

ただ、自分の周りの成績のいいひとが薦めがちだったと思うので、ここでは4位としておきます笑

5位:標準生理学

言わずと知れた標準シリーズですが、なんと1000ページ超の大作です。標準シリーズでもここまで分厚いのは珍しいんじゃないかな。

なんと値段も12,000円で、貧乏学生の財布にはとても厳しいですね。文章も詳しすぎて、流し読みすらきついです。

ただ、この本のすごいところは、これだけの専門性がありながら、図がとてもわかりやすいことです。専門書の挿し図って、専門用語が小さく書いてあって何が言いたいのかわからないものも多いですが、そこをクリアできている点では標準生理学は医学生にとても優しい専門書だと言えると思います。

おまけですが、巻末に付録として生理学で考える臨床問題というコーナーが用意されており、「門脈圧亢進症で腹水が起きるのはなぜ?」とか、「近位尿細管アシドーシスで低カリウムになるのはなぜ?」とか、かなり本質をついた問題が集約されていたりします。

CBTや国家試験の勉強をしていれば、興味深く読めるところですが、2年生や3年生でこのコーナーをやるのはかなり厳しいです。

もし大学の試験で記述問題などがあれば、出そうなところだけこのコーナーで鍛えてもよいかもしれませんね。

6位:スタンダード生理学

400ページ程度の、赤黒の2色カラー版の参考書です。

図が多く採用されており、そこまで内容も専門的でなくバランスよくまとまっていると思いますが、やはりフルカラーでないせいかなんとなく読んでいて退屈です。内容的には上位にもっていきたいのに、、デザインが、、といった感じです。

ただ、4,500円と高いので、デザインに金掛けずにこの値段かぁと思ってしまうのもあってこの順位にしました。

番外編:ギャノング、ガイトン、病みえ

生理学のテキストには海外の有名な教科書の翻訳版もあり、なかでもギャノングガイトンは有名だと思います。

どっちも1,000ページほどあり、完読するのは不可能に近いですが、内容はめちゃくちゃよいです。

カラーの図はわかりやすいし(海外の教科書の図ってなんでこんなにわかりやすいのか…)、説明の文章も(英語の文章を翻訳した感は出てますが)スッキリ論理的に説明されています。

個人的にはガイトンの方が図がきれいで説明もわかりやすくて好きです。

ギャノングは僕は図が好みじゃないのと、それからアメリカの学生からの評価もそれほど高くはないようですね。

テスト対策としてはオーバーワークですが、レポート作成のための調べものの出典としてはかなり良質だと思います。どちらも10,000円は超えるので、調べものに使うなら図書館で借りるのがよいかもしれませんね。

そして病気がみえるという、医学部生にとっては定番中の定番の本を紹介しておきます。

病気がみえるシリーズは、MEDIC MEDIA社が出版している全11冊(2019/01/17現在)の、わかりやすさに重点を置いた参考書ですが、生理学で学ぶ内容も、この病気がみえるシリーズの各冊に散りばめられており、とてもわかりやすい図とともに説明されています。

ただ、循環器、呼吸器、神経、、といった感じで、系統ごとに分けられているので、生理学という分野横断型の学問を学ぶにはテキストをとっかえひっかえしなければならず、不向きかもしれませんね。

ちなみに、基礎医学の勉強での「病気がみえる」の活用法については↓の記事で紹介しています。
「病気がみえる」基礎医学でも使えるのは?
医学生であれば誰でも一度は聞いたことのある「病気がみえる」という参考書ですが、基礎医学でも使いやすいのでしょうか?

結局どれをやればよい?

上のようにランキングを作成してはいますが、ぶっちゃけ参考書にも好みはあると思うので、何でも好きなものを選べばよいと思います。

また、ひとによって用途も違いますし、大学のテストでマニアックな知識ばかり聞かれる…、という人は標準生理学やガイトンなんかを辞書的に使うのもよいかもしれないですね。

それから、大学の授業はついついないがしろになりがちなところですが、今振り返ればあんなに面白い授業をスルーしてたのか、と後悔することもあります。

参考書をマスターしようとして授業を聞かないのではなく、授業を一度はしっかり聞いてみるのをお勧めしますよ!その本がテストもうまくいきます(説教じみててすみません笑、自戒を込めてってやつです笑)

では、がんばってください!

コメント

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