こんにちは、すぷらうとです。
4年生になり、医学部の勉強の山場でもあるCBTに向けてやる気がみなぎっているという医学生も多いでしょう。

CBTで前人未到の満点取ってやるぜ!
中には高得点をマークして人にアピール出来るような結果を残したい!と考えている人もいるはずです。
そこで今回は、CBTで9割以上を得点するためには無視できない「4連問対策」について解説していきたいと思います。
4連問とは?
まず、CBTにおける4連問の概要について説明してきます。
一般的に「4連問」と呼ばれているのは、「順次解答式4連問」というCBTの問題形式のことです。
CBTは全部で320問出題されますが、この4連問はそのうち(4×10=)40問出題されます。
この40問をどう捉えるかなのですが、それを考えるためにまずCBTで差がつく2つのポイントについて触れておきます。
4連問は上位層と中位層を分ける!
医学部生をCBTの最終的な成績で「上位層」「中位層」「下位層」に分けるとすると、中位と下位を分けるのは「QB vol.2&3の理解」、つまり「各疾患の理解」です。

じゃあ、上位と中位を分けるのはどの問題?
僕が思うにそれは、QBの「vol.1」と「vol.4」、つまり、「基礎医学問題」と「多肢選択問題・4連問」です。
まずは勉強しやすい各疾患の知識について勉強するという人が多いため、基礎の問題やQB vol.4相当問題は後回しになり手付かずで終わるという人も多く、そこをやりきるだけでも十分差がついていると感じます。
だからこそ、上位に食い込みたい!と考えている人にとって4連問の攻略というのは非常に重要になってくるというわけですね。
解き進めると前の問題の答えがわかる
これは有名かもしれませんが、4連問は解いているうちに前の問題でどの選択肢を選べばよかったかが分かります。
そして、一度「1問目➡2問目」と次の問題に進んでしまうと、前の問題に戻ることはできなくなります。
これが実はCBTの中でもかなりメンタルに影響を与えるところと言われています。
迷って選んだ選択肢が実は間違いだったということが試験中に分かってしまい、「しまった…」と頭を抱えてしまうのはCBTではあまりにもあるあるかもしれません。
後でも述べますが、大事なことはとにかく「気にせず前向きに目の前の問題を考える」ということです(ここはメンタル)。
4連問の大まかな構成
必ずというわけではありませんが、4連問は1問目から4問目まででそれぞれ出る問題のタイプがある程度決まっています。
ここでは、4連問のモデル問題(過去問ではありません)を見ながら各設問でどのようなことが聞かれるのかを見ていきましょう。答えを見ずに一旦解きたいという人のために解説は伏せてあります(ボタンを押せば見れます)。
1問目:問診スキル
A. 下痢はありますか。
B. 排尿時に痛みはありますか。
C. たばこを吸ったことはありますか。
D. 喉の痛みはありますか。
E. 関節痛はありますか。
解説 各選択肢を吟味していくと
A➡消化器系の鑑別(感染性腸炎など)
B➡尿路感染症の鑑別(膀胱炎など)
C➡喫煙歴の聴取は一般には重要ですが、発熱を主訴に来た患者に聞くには関連性に欠けます。
D➡上気道炎の鑑別(かぜ症候群など)
E➡インフルエンザや膠原病(SLEなど)との鑑別
というわけで、重要でないのは「C」ということになります。
2問目:身体診察
A. 肝臓の腫大
B. CVA叩打痛
C. Murphy徴候
D. Osler結節
E. 咽頭発赤
解説 このあたりでなんとなく「膀胱炎からの腎盂腎炎」というストーリーが見えてくると思います。各選択肢について吟味していきましょう。
A➡脂肪肝、ウイルス性肝炎などで見られる所見です。
B➡急性腎盂腎炎に特徴的な所見です。
C➡胆のう炎などで見られる所見です。
D➡感染性心内膜炎に特徴的な所見です。
E➡上気道感染で見られる所見です。
よって予想される所見として最も適当なのは「B:CVA叩打痛」となります。
3問目:検査
A. 心エコー
B. 脳波
C. 頭部MRI
D. 呼吸機能検査
E. 血液検査
解説 紫斑も認めており、腎盂腎炎にDICが合併していることが疑われるので、血液検査を行うことが重要です。
トグルボックス内容
3問目のテーマは「検査」です。
4問目:病態生理
A. D-dimerの上昇
B. FDPの低下
C. フィブリノーゲンの上昇
D. TATの低下
E. PTの短縮
解説 「紫斑」「血尿」といった出血症状からDICをきたしていることを想起し、DICの病態に合う選択肢を選びましょう。
A. D-dimerは一般に上昇します。
B. FDPは一般に上昇します。
C. フィブリノーゲンは一般には低下します(線溶抑制型ではそれほど低下を認めないこともあります)。
D. TATは一般に上昇します。
E. PTは一般的に延長します。
したがって正解は「A」となります。
4連問対策
4連問の出題形式や内容について見てきましたが、実際に得点率を上げるにはどのように対策すればよいのでしょうか?
具体的な対策を見ていきましょう。
4連問全体の対策
まずは4連問の形式に慣れましょう。戦は敵を知るところからです。
QB vol.4
言わずと知れたCBT対策の王道ツール「QB」ですが、やはりvol.2やvol.3同様、とにかく問題を解くことが大事です。
一つ断っておくとすれば、vol.2やvol.3の理解を適当に済ませた状態でいきなりvol.4を解いてもわからないことだらけで消化不良に陥るので、各疾患の理解を前提としてvol.4の演習を考えましょう。
1問目対策・2問目対策
1問目や2問目では、「限られた情報から疾患を推測する」能力が問われます。
そのため、「疾患→症状」という想起の仕方だけではなく、「症状→鑑別疾患」というように、症状から疾患を思い浮かべる力をつけておく必要があります。
そのためのおすすめ教材には以下のものが挙げられます。
鑑別!1st impression (MEDIC MEDIA)
QB onlineを利用している人であれば、こちらの「鑑別!1st impression」というコンテンツを無料でダウンロードすることができます。
コンテンツの内容ですが、「発熱」や「胸痛」といった症状ごとに、考えられる疾患を「Don’t miss it!」と「Common」に分けて掲載してあります。
アプリでは診断を隠した状態で鑑別の練習を行うことができるので、スキマの時間に鑑別診断のトレーニングをサクサク済ませたい!という人におすすめです。
総合診療科の参考書
1st impressionは無料コンテンツとしてはかなり充実した内容を提供していると思いますが、「発熱」の項目がなかったり、鑑別疾患が少なめに抑えられていたりと、臨床推論にこれだけで十分な教材とは言えないと思います。
そこで、より臨床推論を学ぶに当たってお勧めできるものとして、「総合診療科」のテキストを挙げたいと思います。
低学年だと総合診療科にあまり馴染みがないかもしれませんが、「ドクターG」で話題になった、診断を専門とする診療科のことです。
総合診療科の先生が書いた臨床推論の本は分かりやすいものもたくさんあり、診断の上でどのようにヒントを得ればいいかの指針を詳細に学ぶことができると思います。
以下の2冊はめちゃくちゃわかりやすいのでお勧めです(これらの本は、CBTが終わってからの実習でもかなり役に立ちました)。
めざせ!外来診療の達人
今日読んで明日からできる診断推論
3問目・4問目対策
4連問は大抵の場合、問題の後半である程度テーマになっている疾患が分かってきます。
疾患が分かってきた段階で3問目や4問目を解くにはどのような対策をすればよいのでしょうか?
結局QB vol.2&vol.3の知識が重要
実は、4連問といえど、後半を解くにあたって重要になるのは疾患ごとの理解度です。
4連問の後半にはある程度疾患がイメージできているはずなので、その疾患の検査や治療を病態から理解しておくようにしましょう。
「どうしてその検査を行うのか」「どうしてその治療を選択するのか」をvol.2やvol.3の勉強の段階で考える癖を付けておくと、4連問もラクに解けるようになります。
映像講義で病態への理解を深める
Medu4やQ-Assistといった映像講義が低学年のうちから受講可能になっています。
こうした映像講義の良いところは、疾患を病態から説明してくれているところです。
単に検査値や治療を丸覚えするのではなく、どのような原因でどのような生理的現象が起きているのかを学ぶのには動画がとてもコスパがよいです。
映像講義がそれほど向いてなさそうだという人は、「病気がみえる」といった参考書を活用してもよいでしょう。
CBT全体の勉強法についてもまとめているのでぜひ読んでみてください!それでは!
コメント
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